日本経済新聞に取り上げられました!【2018.6.7】

地下水でイチゴ通年栽培 宇都宮・大谷で開始

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31514780X00C18A6L60000/

 

建築用石材「大谷石」(おおやいし)の産地として知られる宇都宮市大谷地区で、ヒートポンプにより採石場跡地の地下水をイチゴの通年栽培に利用する試みが始まる。1年を通じ一定の温度を保つ地下水をハウスの冷暖房に使う。6月中にも夏から秋に収穫する「なつおとめ」の栽培を始め、冬には一般的なイチゴ栽培も始める方針だ。

2015年度から大谷で、なつおとめを栽培するファーマーズ・フォレスト(宇都宮市)が、新設した2棟のハウスで通年栽培に挑む。熱供給は熱利用システムを販売するクラフトワーク(同)が他社と組んで17年に設立した会社が担う。

夏から秋は一般的なイチゴ出荷の端境期にあたり、この時期に出荷できれば高い価格での販売が見込める。ヒートポンプは冷暖房どちらにも使えるため冬季のイチゴ栽培でも省エネ、低コストが期待できる。

通年栽培にあたり、地下水からヒートポンプを使って温熱や冷熱を取り出し冷暖房に利用するシステムを導入する。採石場跡地にたまった大量の地下水は1年を通じて10度前後と一定の温度を保っており、熱交換システムに適している。

冷暖房システムの設計や製造はクラフトワーク、地下水の監視などを川崎地質、全体の運営を八千代エンジニヤリング(東京・台東)がそれぞれ担当する。

ファーマーズ・フォレストはまずなつおとめを栽培し、冬以降はとちおとめなど一般的なイチゴの生産も始めたい意向だ。松本謙社長は「今までに無い新しい仕組み。大谷から日本モデルを作りたい」と意気込む。

クラフトワークの益子進会長は「(地下水という)熱源が大量に安定的に存在する大谷の環境は世界的にもまれ」だと話す。ここ数年なつおとめの栽培には大谷の地下水を利用してきたが、冬の暖房に利用するのは次のシーズンが初めて。採算性は未知数だが、事業を軌道に乗せて大谷でのイチゴ栽培を後押ししたい考えだ。

 

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31514780X00C18A6L60000/