建築の施工現場は多数の関係者が様々な専門性を持ち寄り、個別性の強い建築物をつくるため、デジタル化はなじみにくいとされてきた。
しかし、センサーやカメラなどの機能が進化し、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などとの連携に期待が高まる今、他産業と協業し、建築で使える「道具」を育てる機運が高まっている。
建設現場がSF映画やゲームで見たような近未来的な光景になる日も、そう遠くはない。実際に、ゲーム業界で使われている技術を用いて、BIMモデルなどを建設現場で活用する取り組みが始まっている。その1つが、MR(複合現実)だ。
建築分野向けのMRシステムでは例えば「GyroEye Holo(ジャイロアイ ホロ)」だ。建設業向けソフトウエア開発会社のインフォマティクス(川崎市)が2018年1月に出荷を開始した。クラウド上にアップロードしておいた図面データをホロレンズで読み込むと、現実世界の施工現場に、原寸大で図面を広げたような視界が現れる。
これまで30以上の現場で実証実験を重ねてきた。
例えば、展示会のブース設営では紙の図面を広げて墨出しなどをせずに、ホロレンズで見える図面に沿って内装工事を実施できた。図面通りに施工されたか、あるべきものが施工されているかなどを確認して回ることもできる。
記事元:「複合現実」が働き方を変える、建設現場で進むデジタル競争
この業界に携わっているものとして、建築現場でMRを使うことが当たり前になるのもそう遠くないように感じています。
記事中にあるような使い方だけでなく、ドローンと組み合わせて建築現場に取り入れる実証実験を行っているところもあるようです。
以前のブログにも書きましたが、排熱利用という「ローテク」の上にMRなどの「ハイテク」を載せることが出来れば、業務の効率化だけでなく、排熱利用という分野にもたくさんの若者が興味を持ってもらえるのではないかと思います。